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Graphene Guide

グラフェンとは?
鉛筆の芯から生まれた、厚さ1原子の素材。

「夢の新素材」と呼ばれるグラフェン。名前は聞くけれど、何がすごいのか、身の回りのどこに使われているのかは、意外と知られていません。このページでは、専門知識がなくても分かる言葉で、グラフェンの正体・性質・作り方・使われ方・安全性を順に説明します。

最終更新:2026年9月16日|監修:株式会社J.C.Technology(グラフェン・グラフェン量子ドットの研究開発・生産・販売)

1. グラフェンとは何か

グラフェン(graphene)は、炭素の原子が六角形の網目状につながって、一枚のシートになった物質です。厚さは炭素原子1個分、およそ0.3ナノメートル(1ミリの300万分の1)しかありません。「これ以上薄くできない、いちばん薄い素材」と言えます。

炭素は、私たちの体にも、木や紙にも含まれているありふれた元素です。同じ炭素でできていても、原子の並び方が違うとまったく別の物質になります。ダイヤモンドも、鉛筆の芯の黒鉛(グラファイト)も、グラフェンも、すべて炭素だけでできています。

炭素原子が六角形の格子状に並んだシート構造のイメージ
炭素原子が六角形に並んだ一枚のシート。これがグラフェンの基本構造です。

2. 鉛筆の芯との関係

鉛筆の芯の材料はグラファイト(黒鉛)です。グラファイトは、グラフェンのシートが何百万枚も積み重なってできています。シートの中では炭素同士がとても強く結びついていますが、シートとシートの間の結びつきは弱い。だから鉛筆で紙をなぞると、シートが薄くはがれて紙に残り、文字が書けます。

つまり、鉛筆で字を書くたびに、紙の上には「何枚か重なったグラフェン」が乗っています。この積み重なりから一枚だけを取り出したものがグラフェンです。「材料は昔から身近にあったのに、一枚に分けるのが難しかった」というのが、グラフェンの歴史の要点です。

鉛筆の芯(グラファイト)の先端と黒鉛の粉
鉛筆の芯はグラフェンの層が積み重なったもの。層の間の結びつきが弱いから、紙に書けます。

3. 何がすごいのか(性質)

グラフェンは、一つの物質で「強い・軽い・薄い・電気を通す・熱を通す・光を通す」を同時に持っています。ふつうは、どれかを取るとどれかを諦めるものですが、グラフェンはそれらを一枚のシートで両立します。

×200同じ重さで比べた鋼鉄との強度差
97.7%光の透過率(ほぼ透明)
0.3nm厚さ(炭素原子1個分)
15,000+電子の動きやすさ(cm²/V·s)
  • 強い:引っ張りに対する強さは約130ギガパスカル。同じ重さで比べると鋼鉄の200倍です。それでいて柔らかく、曲げられます。
  • 電気を通す:電子がとても速く動けるため、銅よりも電気を通しやすい性質を持ちます。この性質は、静電気を逃がす導電糸や、電子部品に使われます。
  • 熱を通す:熱を伝える速さも最高クラスです。放熱シートや、遠赤外線を放つ繊維の土台になります。
  • 透明:一枚のシートは光の97.7%を通します。黒い粉に見えるのは、シートが何枚も重なっているからです。
  • 表面積が大きい:1グラムで約2,600平方メートル(テニスコート約10面分)の表面積があります。汚れや菌を捕まえる、熱を受け取るといった働きは、この表面積の大きさから来ています。

4. 発見とノーベル賞

グラフェンの存在は理論上は古くから知られていましたが、「一枚だけを取り出す」ことは長く不可能だと考えられていました。2004年、イギリス・マンチェスター大学のアンドレ・ガイム教授とコンスタンチン・ノボセロフ教授が、セロハンテープでグラファイトから層をはがすという、拍子抜けするほど簡単な方法で一枚のグラフェンを取り出すことに成功します。両教授はこの功績で2010年にノーベル物理学賞を受賞しました。

発見から20年あまり。研究室の素材だったグラフェンは、いま繊維、電池、放熱材、コーティング、化粧品などへ、少しずつ産業の現場に入ってきています。

5. どうやって作るのか

作り方はいくつかありますが、大きく分けると「上から削る」か「下から組み立てる」かです。

方法やり方特徴
機械的はく離テープなどでグラファイトから物理的にはがす品質は最高だが、量が作れない。研究用
酸化還元法(化学法)グラファイトを強い酸で酸化して層をばらし、あとで還元する量産しやすいが、酸素や薬品の残り(欠陥)が出やすい。市場で最も多い
純物理法(物理はく離)薬品を使わず、物理的な力だけで層をはがす化学的な残留物がなく、グラフェン本来の性質を保ちやすい。当社の製法
CVD(化学気相成長)金属の板の上にガスから一枚ずつ成長させる大きく均一な一枚が作れる。電子部品・透明電極向け

当社(J.C.Technology)のグラフェンとグラフェン量子ドットは、自社の研究開発・製造拠点(中国)で純物理法により生産しています。強酸を使わないため化学残留がなく、炭素純度は99.9%。市場で主流の酸化法との違いは、この「余計なものが混ざっていない」点にあります。

6. グラフェン量子ドットとは

グラフェン量子ドット(GQD)は、グラフェンのシートをナノメートル単位(1ナノは1ミリの100万分の1)の小さな粒にしたものです。大きさは5ナノメートル未満。粒が小さくなると、シートのときにはなかった性質が表れます。代表的なのが抗菌・抗ウイルスの働きで、菌やウイルスの膜に物理的に働きかけるため、金属系の抗菌剤のように成分が溶け出すことがなく、洗濯を繰り返しても効果が落ちにくいのが特長です。

クロムや鉛などの毒性金属を含まない、純粋な無機材料であることも重要です。当社ではこのGQDを繊維・不織布・フィルム・ヘアケアやコスメの原料として供給しています。詳しくはグラフェン量子ドットの事業案内をご覧ください。

7. 身の回りでの使われ方

グラフェンは「粉のまま」使うことはほとんどありません。ほかの材料に少し混ぜて、その材料の性能を引き上げる使い方が中心です。当社が関わる分野を中心に、代表的なものを挙げます。

  • 繊維

    グラフェン複合繊維

    ポリエステルやナイロンの糸にグラフェンを練り込みます。遠赤外線を放つ、抗菌防臭・防ダニ・防カビといった働きが糸そのものに備わります。インナー、寝具、ユニフォーム、作業服に。→ グラフェン繊維の事業案内

  • リカバリーウェア

    遠赤外線で血行を促進する衣類

    体温を受けたグラフェン繊維が遠赤外線を放ち、血行を促進します。当社のリカバリーウェアは「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として一般医療機器の届出を行っています。→ リカバリーウェアとは

  • 化粧品・トイレタリー

    グラフェン量子ドット配合

    シャンプーやボディソープに配合し、防腐剤に頼りにくい処方の選択肢になります。中国では月100万本規模で販売されています。

  • 包装

    抗菌フィルム

    食品用ラップフィルムにGQDを練り込み、鮮度保持と抗菌・防カビを両立します。

  • その他

    電池・放熱・コーティング

    電池の電極、スマートフォンの放熱シート、自動車のコーティング剤など、当社の事業領域の外でも用途が広がっています。

8. 安全性について

グラフェンは炭素だけでできた物質で、それ自体に毒性金属や有機溶剤は含まれません。当社の繊維製品では、グラフェンは糸の中に練り込まれて固定されており、着ている間に粉として離れることはありません。

一方で、どんな素材にも「使い方の範囲」があります。当社のサイトでは、確認できた範囲の機能だけをお伝えしています。分からない点はお問い合わせください。

9. よくある質問

グラフェンとグラファイト(黒鉛)は何が違うのですか?
グラファイトはグラフェンのシートが何百万枚も積み重なったものです。鉛筆の芯がグラファイト、そこから一枚だけ取り出したものがグラフェンです。同じ炭素でできていますが、一枚になると強さや電気の通しやすさが桁違いに高くなります。
グラフェンは何色ですか?
一枚のシートはほぼ透明(光の97.7%を通す)です。粉や糸として見るときは何枚も重なっているため、黒く見えます。
グラフェンはどこで作られているのですか?
研究・量産とも中国が最大の生産地で、当社の研究開発・製造拠点(中国)は、国のグラフェン応用産業の集積地にあります。日本国内にも研究用・電子材料用のメーカーがあります。
グラフェン繊維の効果は洗濯で落ちませんか?
糸に練り込む方式では、グラフェンは繊維の内部に固定されているため、表面加工に比べて、洗濯で落ちにくい構造です。
グラフェンは体に悪くないのですか?
グラフェンは炭素の物質で、毒性金属や有機溶剤を含みません。繊維製品では糸の中に固定されています。
グラフェン量子ドットとグラフェンは別物ですか?
グラフェン量子ドットは、グラフェンをナノサイズの粒にしたものです。元は同じ炭素のシートですが、小さくすることで抗菌・抗ウイルスなど新しい機能が表れます。
「純物理法」と「酸化法」の違いは何ですか?
酸化法は強い酸でグラファイトを溶かして層をばらす方法で、量産しやすい反面、酸素や薬品の残りが出やすくなります。純物理法は薬品を使わず物理的な力だけではがすため、化学残留がなく、グラフェン本来の性質を保ちやすい方法です。
小さな会社でもグラフェン素材を使った製品を作れますか?
作れます。当社は原糸の供給から、生地・製品のOEM/PBまで対応しています。まずは用途と数量をお問い合わせください。

10. 用語集

グラフェン(graphene)
炭素原子が六角形に並んだ、厚さ1原子のシート状物質。
グラファイト(graphite・黒鉛)
グラフェンのシートが積み重なった物質。鉛筆の芯の材料。
グラフェン量子ドット(GQD)
グラフェンを5ナノメートル未満の粒にしたもの。抗菌・抗ウイルスなどの機能を持つ。
ナノメートル(nm)
1ミリの100万分の1。髪の毛の太さは約8万ナノメートル。
遠赤外線
目に見えない光の一種で、体に当たると熱として吸収される。グラフェン繊維は体温を受けて遠赤外線を放ちやすい。
純物理法
薬品を使わず、物理的な力だけでグラファイトからグラフェンをはがし取る製法。
一般医療機器
医療機器のうち、人体へのリスクが最も低い区分(クラスⅠ)。家庭用遠赤外線血行促進用衣はこの区分に当たり、届出制。
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グラフェンを、製品に。

当社は、グラフェン・グラフェン量子ドットの原料供給から、繊維・リカバリーウェア・化粧品原料・抗菌フィルムまで、素材から製品化までを一貫してご相談いただけます。